平和と登山のページ(2017年1月)


     平和と登山委員会  文責:大西清見(泉州勤労者山岳会)


多 文 化 共 生 時 代 の シ ン ボ ル
猪 飼 野 フ ィ ー ル ド ワ ー ク

鶴橋、コリアタウン・桃谷

猪飼野の“いまと歴史”を訪ねる  2017年2月18日 〈 今回のフィールドワークコースについて 〉      案内人 岡田祥子  在日コリアンのまち、大阪の生野区コリアタウン。そこはかつて朝鮮市場と呼ばれ、 朝鮮人多住地域において朝鮮人自身によって、衣食住をまかなうための生活の場でした。 1993年コリアタウンとしてリニューアル、共生のまち作りがスタートしました。 2002年のサッカー・ワールドカップ日韓共催前後から、国際化社会の到来やエスニックブームも 追い風となり、コリアタウンは、内外にその存在と活動をアピールし、「日本の中の朝鮮」を テーマにした町づくりの「よさ」を発信するようになりました。現在、コリアタウン・フィールド ワークは「人権と共生」をテーマとしたフィールドワーク学習の定番と言われるまでになり、 日々訪れる人でにぎわっています。 このコリアタウンを含む生野の朝鮮人多住地域の原点は、はるか1500年前、「日本書紀」にも 登場する渡来人のまち「猪飼野」でした。ここでは古代より朝鮮半島からの渡来人を積極的に 受けいれ、その先進技術や文化を吸収してきました。朝鮮半島で百済の国が滅亡した660年には 多くの亡命者が来日、当時の日本の朝廷は百済人を重用しました。天智天皇は、彼らを都近くに 定住させ、摂津の国には百済郡を設置し、そこは活気あふれる国際交流の場となりました。 百済人が日本と調和していく拠点の一つが百済野であり、さらにその一角が猪飼野だったのです。 このように、猪飼野は古代の善隣友好エリアであり、百済郡の故地でもありました。 そして、猪飼野には時代を越えて、近代20世紀初頭から再び朝鮮人多住地域が形成されることと なりました。 その不思議なめぐりあわせに思いをはせつつ、生野に残る古代朝鮮の残照「猪飼野」の痕跡を 訪ねるフィールドワークを楽しみたいと思います。 簡単にコース説明をします。労山事務所のある玉造から歩くとほどなく鶴橋駅につきます。 今回のフィールドワーク最初のチェックポイントは国際マーケットです。国際マーケットから 鶴橋本通商店街を抜けて弥栄神社、御幸森神社を見学したあと、御幸通商店街(コリアタウン)を 訪れます。突き当りの平野運河を眺めて逆戻り。コリアタウン内で昼食をとります。疎開道路を 横断して、旧桃谷街道である桃谷商店街を桃谷駅まで歩き、解散予定です。 歩くことによって改めて、朝鮮半島と日本列島の間で細やかにかつ営々と結び続けられてきた 交流の歴史的な深さと広がりをともに体感できれば幸いです。

第38回戦跡ハイキングのご案内

日時  2017年2月18日(土) 集合:午前9時大阪労山事務所 コース 労山事務所→鶴橋駅→国際マーケット→八坂神社→御幸神社     →御幸通商店街(コリアンタウン)→平野運河→     コリアンタウンに戻って昼食→旧桃谷街道→桃谷駅(解散) 講師  岡田祥子(大阪市立大阪ビジネスフロンティア高等学校教諭) 参加費 300円(資料代、昼食は除く) 申込み 大西清見(泉州労山) пF080−1460−3884
機関誌部(大阪労山ニュース)のページへ ・大阪労山ホームページへ