きき

　平和と登山のページ（2016年4月号）

　　　　　　　　　　　　平和と登山委員会　文責：大西清見（泉州勤労者山岳会）

《大阪登山者９条の会、戦跡ハイキングの報告》　　　　

第36回戦跡ハイキング・真田山公園周辺の戦跡を歩こう

２月20日（土）午前、大阪登山者９条の会の戦跡ハイキングとして真田山公園周辺の戦跡を歩いてきました。講師は元大阪府立高校教諭の森田俊彦さん、あらかじめ資料を準備していただき、旧真田山陸軍墓地などを分かりやすい説明で楽しい戦跡ハイクの半日となりました。

コースは連盟事務所（午前10時）→三光神社の片柱の鳥居→陸軍墓地→騎兵第４連隊忠魂碑→鶴橋駅。連盟事務所から徒歩10分の所に第一級の戦跡遺跡があることを知っている人は少ないようです。明治維新後、陸軍を創設した時に真田山に墓地を作りました。墓地の埋葬者は軍人の他、家族や外国人捕虜や医療従事者なども含まれています。いろいろと過去の戦争を考えながら歩くことのできる興味が尽きない墓地でした。

参加者：志峰会1名、きたろう2名、てんの会1名、こもれび2名、八尾山の会3名、泉州2名、元泉州2名、森田俊彦（ガイド）　計14名

　　　　　幸村の抜け穴前にて（三光神社横）　　　「上端がかまぼこ形をした墓碑は古いタイプ、このブロック付近に多く見られる」とガイドの森田さん。

　戦跡ハイクに参加して　　　稲垣久則（旧泉州労山）

２月の雨に濡れながら、大阪登山者９条の会の戦跡ハイキングに参加した。ベースの労山連盟事務所を出発し徒歩で標高14.3ｍの真田山をめざした。アプローチの途中には大河ドラマ「真田丸」で売り出している三光神社があった。「幸村の抜け穴」と数名の「歴女」を横目に見ながら小高いところにある本殿に向かう。石の階段を上がり鳥居をくぐる。よく見ると２連になっていて、前方の鳥居は折れて破損していた。1945年6月の空襲でやられたらしい。当然、神社も周辺地域も火の海で街が焼失し、多くの市民も犠牲になった。　　

更に高みを目指す。雲も切れはじめ、雨が小やみになってきた。戦跡ガイドの森田俊彦さんと合流する。緩斜面をしばらく歩くと「旧真田山陸軍墓地」に到着。全国で現存する墓地は80か所で、ここは日本最大・最古の陸軍墓地である。納骨堂には8000の遺骨、墓碑が約5300柱ある。古い墓石には西郷さんで知られている西南の役で戦死した兵士の物もあった。徴兵制を取り入れた明治政府は戦場に送った兵士一人ひとりを弔った。日清戦争の頃までは個人墓碑だったが、日露戦争以降は埋葬が追い付かず、合葬碑の形となっていた。

納骨堂の前で説明を聞いていると、雨脚が強くなってきた。これは、妻子を残して無念の死をとげた兵士の涙雨だったのだろうか…。兵士たちへの供養の言葉を考えたとき、お寺の封筒の印刷文を思い出した。「国富民安　兵牙無用」だ。国は豊かに栄え、民の暮らしは安らかに。武力を行使すること無かれと。帰りぎわ、案内板の末文が目に入った。「・・・・ここを訪れた方々は、整然と並んだ多くの将兵の墓碑に圧倒され、そしてそこに刻まれた文字を読み取るとき、必ずや平和の尊さを実感されるものと存じます」。

平和の文字が光っていた。

《大阪登山者９条の会、戦跡ハイキングのご案内》　　　　

　第37回戦跡ハイキング＆大江山登山、山菜摘み体験

春の戦跡ハイキング＆大江山登山と山菜摘み体験のご案内です。今回は京都府北部の丹後地方へ出かけたいと考えています。日程は次の通りですが、日帰りか二日間のパターンのどちらかで申し込んで下さい。3月18日（金）現在の参加希望者は、日帰り・検討中数名、二日間コース6名です。（注）申し込み締切り日を変更しました。

申し込み締切り：3月31日（木）泉州労山・大西清見（携帯：080－1460－3884）

① 日帰りコース（参加費：約5,000円）

4月16日（土）大阪（マイカー、舞鶴自動車道）－福知山（海軍飛行場掩体壕跡）－

　大江山登山－帰阪　　　　＊集合時間・場所は参加者で決めます。

② 二日間コース（参加費：11,000円）

4月16日（土）①コースに同じ　大江山登山－筒川文化センター（京都府伊根町、筒川小学校跡を改装、素泊まり：3,000円、自炊）で宿泊・交流

17日（日）伊根町筒川で山菜摘み体験（地区協力費・昼食費で2,000円）、こごみ・山蕗・花ワサビがたくさん収穫できます。－与謝野町・かやの里温泉－帰阪